フリーランス方の中には、「納品して請求書を出せばいいんでしょ?」といった軽い気持ちで仕事を回している人も多いはず。
ですが実際には、納品の仕方や請求のタイミングひとつで、報酬の入金時期やクライアントとの信頼関係が変わってしまうこともあります。
納品方法が曖昧だと「まだ終わってないのでは?」と言われてしまい、請求が遅れることでと入金もどんどん後ろ倒しになってしまい、
気づけば「今月の生活費が…」という事態にも陥りかねません。
納品前の“検収”という関門
フリーランスの仕事では「納品=即完了」ではありません。
多くのクライアントは納品物をチェックする“検収”というステップを踏むためです。
例えばWebサイトであれば
・リンク切れはないか
・表示崩れはないか
・仕様通りになっているか
を確認します。
この検収でOKが出なければ「正式納品」にならない場合が多く、請求書も出せません。
だからこそ、検収前に自分でミスチェックを徹底しておくことがとても重要です。
納品方法も事前に決めておく
「データを送ったら納品完了!」といった感覚でやってしまうと、後からクライアントと揉めることも出てきます。
例えば以下のようなパターンが考えられるでしょう。
- ZIPファイルで送ったら「展開できません」と言われてしまう
- メール添付したらファイル容量オーバーで結果として届いていなかった
- Gitやクラウド共有の使い方が相手と共通の認識になっていなく混乱を生む
こうならない為にも、契約段階で
「納品は○○の形式」
「送付方法は△△」
とクライアントに確認の上で決めておくとスムーズです。
請求書の鉄則は「すぐ出すこと」
正式に納品が完了したら、できるだけ早く請求書を出しましょう。
フリーランスあるあるですが、「後でまとめて請求しよう」と思って先延ばしにしてしまうと、そのまま忘れて数ヶ月後に慌てることになります。
さらに、クライアントによっては月末締め・翌月末払いなど支払いサイクルが決まっているので、請求が遅れると入金も1〜2ヶ月遅れてしまいます。
請求書に入れるべき項目
請求書は金額を書けばいいという訳ではありません。
必要な情報が漏れてしまうと、経理担当から「差し戻し」されて支払いが遅れることもあります。最低限、以下の内容は入れましょう。
・請求日
・請求書番号(自分で管理しやすく)
・クライアント名・住所
・自分の氏名・住所・連絡先
・業務内容(契約書と同じ内容)
・金額(税抜・税込、消費税額も明記)
・支払期限
・振込先口座情報
エクセルで作成もできますし、最近は「Misoca」「freee請求書」など無料ツールでもテンプレが使えるので便利ですよ!
請求と納品をセットにする技
「納品メールと同時に請求書を送る」のもおススメです。
どの仕事内容に対しての請求なのかもわかりやすいですし請求漏れも防ぐことが可能です。
「納品が完了しました。請求書を添付しておりますので、○月○日までにお振込みをお願いします」と添えるだけなので作業的にも負担は少ないです。
クライアントによっては「検収後に請求」というルールがある場合もあります。その場合であっても検収完了と同時に出す癖をつけることで、キャッシュフローが安定します。
入金確認も仕事
請求したら終わりではなく、必ず入金確認まで行いましょう。
特に新規クライアントや個人事業の相手は、入金忘れや期日遅れも可能性としてゼロではありません。万が一遅れていた場合は、穏やかにリマインドすると印象も悪くないでしょう。
例)「お世話になっております。先日○月○日付でご請求させていただいた件について、○月○日現在でご入金が確認できておりません。お忙しいところお手数をおかけいたしますがご確認をお願いいたします。」
感情的にならず、事務的に連絡するのがポイントです。
トラブル回避のコツは3つ!
納品と請求の流れをスムーズにするコツは、ざっくり言うと3つあります。
- 契約時点で納品方法・形式・検収ルールを決めておくこと
- 納品したらすぐ請求書を出すこと
- 入金確認を忘れないこと
これだけで、報酬トラブルの9割は防げます。
フリーランスは「お金の流れ」もデザインするのが仕事
Webデザインの仕事は、クライアントのサイトを作るだけじゃなく、自分の働き方やお金の流れもデザインすることが必要です。
納品・請求のフローが整っていると、精神的にも余裕が生まれ、結果的に制作に集中することができます。
逆に、お金の流れがぐちゃぐちゃだと、頭の片隅にずっと「今月大丈夫かな…」という不安が残り、業務に支障をきたします。
納品と請求はワンセット!
納品と請求は単なる「事務作業」ではなく、フリーランスの信用を作る重要な仕事です。
スムーズなやりとりはクライアントからの信頼にもつながり安心感も与え、次の依頼や長期契約にも発展します。
ぜひ今日から「納品・請求はワンセットで、即行動」を心がけてみてくださいね!