フリーランスとして独立したら、クライアントと直接やり取りしながらプロジェクトを進めていくことになります。
契約を交わして、見積もりも通って、いよいよ仕事がスタート!…ですが、ここからが本当の勝負なんです。
なぜなら、いくら契約や見積もりが完璧でも、プロジェクト中のコミュニケーションがうまくいかなければ、クライアントの不安は募り、認識のズレも生じてしまうためです。
今回の記事では、信頼関係を築きながら、安心して任せてもらえるデザイナーになるためのコミュニケーション術を、実践的なポイントを交えて解説していきます。
キックオフミーティングの重要性
プロジェクトの初めに「キックオフミーティング」を行うことは、非常に効果的と言えます。
なぜなら、最初のタイミングでクライアントと認識をすり合わせておけば、後から「話が違う…」というすれ違いが減らせるからです。
具体的に何を行うかというと、
プロジェクトの目的の確認
たとえば
「売上アップ」
「ブランドイメージの刷新」
「特定ターゲットへの訴求」
など、この仕事においての目的を共有します。目的が曖昧だと、途中で方向性がぶれてしまうので重要です。
役割分担を明確にする
例えば、デザイナーがデザインとコーディングを担当し、クライアントはテキストや写真素材を用意するなど、責任の所在を明確にします。
特に素材の納期が遅れることで全体のスケジュールに響いてしまうので「いつまでに何を提供してもらうか」も具体的に決めましょう。
現実的なスケジュールの共有
マイルストーン(作業途中の重要な節目)を設定し、各工程の期限を明確にすることで、「いつまでに何を終わらせるか」が全員に共有できます。無理のあるスケジュールの場合は、率直に話し合いを行い現実的なスケジュールを組むことが大事です。
連絡手段と頻度
メール・チャット・電話など、どの手段をどの場面で使うかを決めておきます。
また、週に1回の進捗報告や月に1回のミーティングをするなど、定例の連絡方法も決めておくと、安心感につながります。
疑問や懸念を解消する
事前に予測できる不安や不明点は早めに解決するのがトラブル回避の基本です。
このように、キックオフミーティングは少し時間を取っても行う価値があります。最初の確認を怠ると、後々の不毛な対応に追われることが増え、本来感じる必要のない無駄なストレスも増えます。
定期的な進捗報告で「報・連・相」を徹底!
「報告・連絡・相談」はコミュニケーションの基本です。これを怠るとクライアントの信頼を失ってしまう事にさえなるでしょう。
- 報告の頻度
プロジェクトの規模によります。
基本は週に1回程度。 - シンプルな内容で報告
「今ここまで進んでいます」
「問題なしです」
「来週は○○を遂行します」
など要点だけでOKです。 - 遅延や問題はすぐに共有
トラブルを隠すのは最も避けたいことです。スピードをもって報告することで逆に信頼を得ることもできるでしょう。 - 相談するもよし
難しい判断が必要であったり進め方に迷った場合は、早めにクライアントに相談して一緒に解決策を探りましょう。自己判断で何かあった時には責任問題にもなりかねません。
こまめな報告と相談をすることによって、クライアントに「この人に任せて大丈夫」と感じさせることができ安心感を与えます。
ツールの特徴で使い分ける
コミュニケーションツールは、それぞれ得意な役割があります。
- メール
議事録や重要事項のやり取り - チャットツール(Slack、Chatworkなど)は日常的な質問や短い連絡
- Web会議ツール(Zoom、Google Meet)
対面の打ち合わせや画面共有に活躍 - プロジェクト管理ツール(Trello、Asana、Backlogなど)
タスクや進捗の可視化管理に便利
クライアントとのやり取りにおいては、適切なツールを使い分けましょう。クライアントが日頃から使い慣れているツールに合わせるなど相手の負担を減らす配慮も大切です。
デザイン提案とフィードバックを建設的に進めるコツ
デザインを提案する際には、「なぜこのデザインなのか」を言語化して説明できると、クライアントに納得してもらいやすいです。
例えば、
・配色の根拠
・フォント選びの理由
・ターゲットユーザーに響くレイアウトの意図
など、具体的な根拠を用意しましょう。
フィードバック対しては感謝して、冷静に受け止めます。クライアントのイメージやニーズを再確認して修正をすることも大事です。感情的になるのは避けましょう。
「なぜその修正を望むのか?」を深掘りしていくと、真実の目的が見えてきます。
例えば「ここを赤くして」と言われたら、「注目させたい」「クリック率を上げたい」という心理からの要望かもしれません。
自分の専門知識を活かすことはもちろん大事ですが、クライアントの要望と最適解を両立させることこそが、良い関係性の構築と良い成果につながります。
期待値をコントロールする事はトラブル防止の基本
「できます!」と全て引き受けるのは、一見良さそうに思いますが、無理な約束をしてしまうことで後に信頼を失う原因になります。
実現が難しいと感じる案件やクライアントにリスクのある作業は、正直に伝えましょう。
ただできないというのではなく、「できないけど、こうすれば近い結果が得られますよ」という代替案を示すことができれば、誠実な印象を与えることが可能です。
また、プロジェクト開始前にリスクや懸念事項をあらかじめ共有しておくことで想定しながら作業を行うこともでき、万が一問題が起きた際もスムーズに対応できます。
記録を残す習慣でトラブル防止
口頭で決めた内容であっても、必ずメールや議事録など書面に残すことが重要です。
このひと手間によって、「言った・言わない」というトラブルを避けることができ、結果的に自分を守ることにもなります。
まとめ:信頼につながるコミュニケーションを心がけよう
コミュニケーションはただのやり取りではなく、「信頼を育む時間」といっても過言ではありません。
こまめで誠実なやり取りを続ければ、クライアントからの信頼は厚くなり、結果的に次の仕事や紹介にもつながっていきます。
ぜひ、今回紹介したポイントを意識して日々の仕事に活かしてみてくださいね!