【Webデザイン超入門④】では「配色」について解説いたしました。分量やアクセントカラーなど意識して作成してみられましたか?
今回は、基本用語の「タイポグラフィ」について解説していきます。
こちらを抑えていただくだけで文字情報がさらにわかりやすくオシャレなデザインになります!
7. タイポグラフィ(Typography):文字で伝えて読みやすさを追求
タイポグラフィとは?
タイポグラフィとは、Webサイトで使用するフォントの種類(書体)、サイズ、太さ(ウェイト)、色、行間(レディング)、文字間(トラッキングやカーニング)などを適切に設定することにより、情報を読みやすく、美しく伝えるためのデザイン技術全般を指します。単に文字を表示するだけではなく、文字を通して効果的にメッセージを伝えるための表現方法です。
なぜタイポグラフィが重要?
コンテンツの大部分はテキスト情報のため、タイポグラフィの質はユーザー体験に直接的に影響する!
- 情報伝達の根幹
どんなに優れたコンテンツでも、タイポグラフィが悪ければ読まれません。読みやすいタイポグラフィは、ユーザーが情報をストレスなく理解するための基盤となります。 - 可読性と判読性
ユーザーがストレスなく文字情報を認識し、内容を理解できるようにするためには、文字の読みやすさ(可読性)と、個々の文字の区別しやすさ(判読性)は非常に重要です。 - 印象の操作
フォントの種類やスタイルは、サイト全体の雰囲気やブランドの個性を表現するのに効果的です。
例えば、セリフ体は伝統的・公式的であるという印象を与え、サンセリフ体は現代的・親しみやすいといった印象を与えます。 - 視覚的な階層化
見出しと本文でフォントサイズや太さを変える(ジャンプ率を調整する)ことで、情報の重要度や構造が視覚的にわかりやすくなります。
これにより、ユーザーは情報を効率的に読み取り、求めている必要な情報を見つけやすくなるのです。
タイポグラフィの実践方法は?
質の高いタイポグラフィを実現するために、以下の点に気をつけましょう。
フォント選び
- 可読性の高いフォントを選ぶ
あまりに装飾的なフォントや、奇抜で読みにくいフォントは、特に本文の記述には向いていません。
一般的には、ゴシック体(サンセリフ体)や明朝体(セリフ体)の中から、ターゲットやサイトの雰囲気に合ったものを選びましょう。Webフォントの利用も検討しても良いでしょう。 - フォントを多用しない
多種類のフォントを使いすぎると、デザインにまとまりがなくなり、プロフェッショナルな印象を損なってしまいます。
通常は2〜3種類程度(見出し・本文・アクセント用など)に絞って使用するのが良いでしょう。
ここから - フォントサイズ
本文のフォントサイズは、PCサイトで14px〜18px程度が一般的です。ターゲット層(シニア向けなら大きめにするなど)やデザインによって調整することも大切です。スマートフォンでは少し小さめでも可読性が保てる場合もあります。見出しは本文よりも十分に大きく設定し、明確なメリハリをつけましょう。 - 行間(
line-height
): 文字サイズの1.5倍〜2.0倍程度が読みやすいとされています。行間が詰まりすぎていると文字が密集して読みにくく、逆に空きすぎても文章のまとまりがなくなり間延びした印象になります。 - 一行の文字数: 一行があまりに長すぎると、ユーザーの視線移動が大きくなり、次の行頭を見失いやすくなるため読みにくくなります。一般的に、日本語の場合は1行あたり35〜50文字程度、英語の場合は45〜75文字程度が適切とされています。コンテンツ幅を調整したり、適切な位置で改行を入れたりしましょう。
- コントラスト: 背景色と文字色のコントラストを十分に確保し、読みやすさを保証します(これは「コントラスト」の原則や「配色」とも関連します)。
悪い例のイメージ:
タイポグラフィが劣悪なデザインとは、例えば、小さすぎる文字で読みにくい、読解が困難な特殊なフォントを多用している、行間が異常に詰まっていて息苦しい、逆に異常に空いていて文章のつながりが分かりにくい、コントラストの低い文字色で背景に溶け込んでしまっているなど、ユーザーがテキスト情報を読む気を失ってしまうようなデザインです。
良い例のイメージ:
優れたタイポグラフィが施されたデザインは、見出しと本文のフォントが意味や役割に応じて適切に使い分けられ、フォントサイズや行間も緻密に調整されており、ストレスなく内容がスッと頭に入ってくるようなデザインです。文字そのものが美しく組まれているだけでなく、情報構造も明確に伝わってきます。
まとめ:タイポグラフィで美しく分かりやすいデザインへ
タイポグラフィは、デザインがグッとオシャレになるだけではなく直感的に視線を誘導できたり、情報の重要度を伝えるためにも重要です。
色やコントラストにこだわって作成するのであれば文字にもこだわっていきたいですね!
そうして細部までこだわって作成したデザインは美しく使いやすく、成果も出せるものとなり、「またあなたに頼みたい!」と思ってもらえることでしょう。